チェゲバラコイン

生徒との会話ご紹介⑧ ~キューバの革命家~

皆さんはチェゲバラという人物を知っていますか?

そう、キューバの英雄にして革命家チェゲバラです!

私は昔キューバに滞在して世界遺産や遺跡を巡ったことがあり、有名な革命広場のチェゲバラの大きな顔は今でも覚えています。

バラデロの20kmにも及ぶビーチを一人でふらふらと歩いて、人生で一番と言っていいほど真っ黒に焼けたのも良い思い出です(笑)

たしかギリギリ10代だった私にとって、キューバの記憶は本当に刺激的なものとして心に刻まれています。

そんなキューバの首都ハバナは、私にとって青年時代の故郷だと思っています。

 

故郷というのは少し誇張した言い方ですが

「出身はどこなんですか?」

と生徒から聞かれた際には、冗談半分でハバナと答えています😆

すると

「どこですかそこ?」

と言って怪訝な表情を浮かべますが、そういったときにはチェゲバラの話をします。

キューバの英雄にして革命家チェゲバラ。

大人の方ですと名前くらいは聞いたことがあるかもしれませんが、子どもにとっては??といった具合です。

キューバ?革命家?チェゲバラ?

といった聞きなじみがない言葉が続きます。

「キューバってどこですか?アメリカー??」

キューバをアメリカと思ってしまうとは、なかなか面白い話です。

「革命ってそんなの本当にあるんですかー?」

今の日本で革命なんて言葉は、マンガやアニメでしか聞かないですよね。

「チェゲバラて何ですか?人ですかー?」

そもそも人かどうかの認識から確認する必要があるようです。

 

そんな生徒たちにキューバの歴史やチェゲバラの人生を簡単に話すと、様々な子どもながらの感想が聞けます。

ですがまず最初に「革命」という言葉から連想することは

「なんかやばそう」

という感想のようです。

「革命は人を殺しそうだからまずい」

「革命家って犯罪者?」

「そもそも革命なんて無理でしょ」

子どもの幼い意見。

鼻であしらい一蹴することは簡単ですが、きちんと受け止めると面白く感じます。

それは子どもたちがまだ短い人生ながらに培ってきた価値観に照らし合わせて、自由に意見を述べている様子がほほえましいからかもしれません。

大人になってしまうとある程度の常識に当てはめて、模範解答のような感想を聞くことが多くなりますが、そんな「常識」を知らない子どもからは、もっと単純で明瞭な感想を聞くことができます。

そしてそのような感想からは、これまでどのように成長してきて、どのような教育を親や先生から受けてきたのか垣間見えるときがあります。

そういった子どもといえども一人の人としてのバックボーンが見えたとき、私は改めて教育の面白さや大切さを実感できるのです。

 

どこまで自分の信念を教えて、どこまで子どもの自主的な感性に任せるのか、そのバランスが子育ての醍醐味かもしれません。

子どものいない私がこんなことを言ってもただの空想になりますが、ただ漠然と子どもを育てるのではなく、伝えたいことはしっかりと伝える、あとは本人に任せる、それが子どもの個を作る手助けとなり、いつか精神的な革命をもたらすかもしれませんね。

それはきっと外面からは分かりませんが、内面はチェゲバラが行ったように熱い革命かもしれません。

過去を振り返ると私もそんな瞬間があったように思えます。

 

チェゲバラコイン

 

こちらは夏休み中に生徒に頼まれていた、チェゲバラコインになります。

チェゲバラが生で見たいとの生徒たちの熱い声にお応えして、キューバに行った際にどうにか1枚だけ手に入れたチェゲバラコインを持ってきました。

「どうやって手に入れたんですかー?」

と聞かれたので私のキューバでの冒険譚を話そうかと思いましたが、長くなるので割愛して

「現地のカフェの店員さんにもらったよ」

と伝えています。

チェゲバラコインを探し求めていた私は、地元の人に会うたびに持っていないか尋ねていました。

意外と持っている人が見つからず悪戦苦闘していましたが、ふと入ったカフェのウェイターさんに聞いたとことあっさりと見つかりました。

「それ少し高くお金を払うから交換してくれない?」

とお金を見せながら交渉すると

「OK!OK!」

と難なく了承してくれました。

キューバの公用語であるスペイン語は話せないので苦戦するかと思っていましたが、二つ返事で交渉が終了したので安堵したのを覚えています。

しかしあまりにも簡単にチェゲバラコインを手放す彼に

「いいの?チェゲバラは英雄じゃないの?」

とジェスチャー付きで聞いたところ

「No!」

とブーイングのような非難の声を上げていました。

これには驚きましたね。

キューバの英雄とまでに称されるチェゲバラが、まさかのブーイングを受けるとは。

悔やまれることがあるとすると、スペイン語を話せない自分です。

そのせいで彼が仕事中ということもありましたが、しっかりとした理由を聞くことはできませんでした。

彼には一体どのようなバックボーンがあってそのような考えに至ったのか、今更ながらに気になります。

いつかまたキューバを訪れて、故郷の風を感じたいです。

 


 

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