生徒との会話で食いつきがよかった話をご紹介したいと思います!
高校生に英語を教えているとき、英文の読解問題がおサルさんの話題でした。
生徒にとってはつまらない話で、「英文もよく分からない・・・」とのこと。
そこで少しでもおサルさんに興味が湧くように、こんな話をしてあげました。
ちなみに私はアメリカの大学で anthropology(人類学)をメインに授業を受けていたので、こういった話は意外と得意なんです!
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人とサルのDNAは約99%が一致していると言われています。
でも人とサルの文化レベルに大きな違いがあることは、皆さんも納得していただけるでしょう。
ではほとんど一緒のはずの私たち人とサルの違いはなんでしょうか?
少し考えてみましょう。
その1%ほどの小さな違いが、これほど大きな”差”を作っています。
答えは思いつきましたか?
bipedalism(二足歩行)と答えた人は素晴らしいです!
- 二足歩行により手で作業が行えるようになる
- 手が発達し道具を発明する
- 道具を使いこなすとともに脳が発達する
- 人の出来上がり!
ここまで考えられた人は、人類学を勉強してみると面白いかもしれません🐵
そしてこれは一つの定説として、疑いの余地はないでしょう。
「過程はどうあれ、人は脳が発達したんですよね?」
生徒もこう言ってくれました!
人一人とサル一匹を見たときは、脳の発達具合で説明がつきます。
しかし互いの文化で見たとき、その”差”が果てしなく広がっているのはなぜでしょうか?
おサルさんだって簡単な道具は使えますし、なんならスマホを使っているニュースを目にしたこともあります。
身体能力は人を凌駕して、二足歩行だって一時的ならできます。
道具を使えるだけの知能+驚異的な身体能力
これがあれば、今の旧石器時代のような生活から鎌倉時代くらいには進化していてもいいと思いませんか?(笑)
つまりおサルさんは、知能があるのに文化は発達していないのです。
これは知能の発達=文化の発達にはならないということを示しています。
文化の発達には、知能+αが必要なんですね。
ではαは何でしょうか?
ここが人と猿の一番の違いだと私は考えています。
こたえはズバリ「指さし」です!
?が浮かんだ方が多いと思うので、ご説明します。
例えば言語機能がまだ発達していない赤ちゃんは、何かを伝えようとするときに指差しをします。
- 興味があるものを知らせるとき
- 質問に答えようとするとき
- 欲しいものを伝えるとき
ママに何かを教えようとするとき、指差しをするのです。
つまり指差しというのは、他人に何かを教えたいという本能を表しています。
はるか昔は壁に絵を描くことで、何かを記録し教えようとしていました。
そこから文字や言語が生まれ、今に至るのです。
他人に何かを教えたいという本能があったからこそ、このような進化があったんですね。
対しておサルさんは、教わって学ぶことがありません。
基本は人の行動をまねして、道具の使用法を学びます。
そして自分が理解した道具の使用法を、ほかのおサルさんに教えることはありません。
知識の蓄積を他人からできる人とできないおサルさん。
ここが大きな違いなんですね!
教えることで知識が共有され、過去から未来へ受け継がれていきます。
人一人、サル一匹の力で文化を発達させることは難しいです。
しかし教えるという行為が、人一人の知能を集団の知能へと変え、文化の発展に導きます。
生活をする中で、自分の頭では仕組みを理解できない物や事があふれていると思います。
それでもそれらを使いこなせているのは、私たちの本能と先人たちの知恵に感謝ですよ!
しかしおサルさんを侮ることなかれ。
動物園に行ったらよく観察してみましょう。
もし指差しをしていたら要注意です!
進化の過程で進化の前例がなかった私たちと、人という前例があるおサルさん。
教えることができるようになったおサルさんは、私たちよりも高度な進化をしてくれること間違いないでしょう🙊
ということで生徒はおサルさんに(多分)興味が持てたので、英文の読解問題を頑張って解いてくれました。(笑)
何かを勉強するときは、興味を持つと捗りますね!
今回のお話はここまでです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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